お陰様で8月21日をもちまして当院は開業して4周年を迎えました。
この4年間お越しいただきました患者様には、改めて感謝申し上げます。また技工所様、歯科材料業社様、その他各方面の会社には大変お世話になりました。特に行政の皆様からは政府のコロナ対策の一環で、一方ならぬご支援頂きましたこと、この場を借りて、改めて厚く御礼申し上げたいと思います。
さて当院では開業以来、
一般歯科治療、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科、訪問診療などを通じて地域社会に貢献してまいりました。
開業5年目に入るにあたり、社会に対して一歯科診療所として何ができるかを、より具体的に考える時期に来ていると思います。
今、社会全体で提唱されている、
SDGs ;sustainable development goals;持続可能な開発目標
をテーマに少し考えてみようと思います。
これは、2015年9月に国連で採択された、
持続可能な開発のための2030アジェンダ(実行するべき目標)
に記載された、
2016年から2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。
具体的には以下の17の目標があります。
~17の国際目標~

❶貧困を無くそう
❷飢餓をゼロに
❸全ての人に健康と福祉を
❹質の高い教育をみんなに
❺ジェンダー平等を実現しよう
❻安全な水とトイレを世界中に
❼エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
❽働きがいも経済成長も
❾産業と技術革新の基盤を作ろう
➓人や国の不平等を無くそう
11)住み続けられるまちづくりを
12)つくる責任、つかう責任
13)気候変動に具体的な対策を
14)海の豊かさも守ろう
15)陸の豊かさも守ろう
16)平和と公正を全ての人に
17)パートナーシップで目標を達成しよう
上記は、私たちが発展していく為に目指すべき目標であり、
❶〜❻は『人の安全、安心』
❼〜12)は『経済のバランス』
13)〜17)は『環境、平和』
の3種類に分けて定義されています。
みんなが幸せになる未来を創るために
誰一人取り残さないーNo one will be left behindー
を理念とし、国連に加盟する世界193ヵ国が合意した2030年までに達成すべき目標、という大きな考え方です。
それでは現実社会においてはどうかというと、
環境省から発表された
『すべての企業が持続的に発展するために』
と題された『SDGs活用ガイド』というものがあります。
「環境活動や社会課題の解決を通じて業績を上げる、これらに配慮しなければ企業としての活動ができない、そういった時代が来ようとしています」
といった前書きが記載されており、日本においても実際に自治体や各団体、企業、学校などを中心としてSDGsの目標に資する取り組みを行うところも増えてきています。
身近なところで言えば、スーパーのレジ袋の有料化、プラスチック製のストローの全廃が挙げられますが、これは上記の項目
14)海の豊かさを守ろう、に該当します。
では、
『一歯科医院においてSDGsの達成に向けてどんな取り組みができるのか?』
について考えたいと思います。
例えば、
❸すべての人に健康と福祉をを達成するために、
「事情により通院困難な方の為に訪問診療を行う」
「奥歯の無い方に対して、いち早く治療し咀嚼機能の回復を行う」
「治療終了後も疾患の発生を予防すべく定期的なメンテナンスを推奨する」
ことにより達成できると考えられます。
15)陸の豊かさも守ろうを達成するために、
「オーラルスキャナーを使用することにより、歯科診療の過程で出るゴミ(アルジネート印象材、石膏)を減らす」
「金属製の技工物(いわゆる銀歯)ではなくCADCAM 冠を作製することにより、金属片や技工過程における有毒ガスを減らし、出来るだけ空気(環境)を汚さない」
ことにより達成できると考えられます。
また、当院では少し前より、社会貢献活動の一環として
以下の各種団体に少額ではありますが、寄付を行なっております。
⚫︎国連anchor

https://www.japanforunhcr.org
⚫︎world vision

https://www.worldvision.jp
⚫︎UNICEF

https://www.unicef.or.jp/
⚫︎PLAN international

https://www.plan-international.jp/about/policy/sdgs/
⚫︎あしなが育英基金

https://www.ashinaga.org/
⚫︎広島大学歯学部基金/広島大学修学支援事業基金
これらの団体に寄付することで
❶貧困を無くそう、❷飢餓をゼロに、❹質の高い教育をみんなに
❺ジェンダー平等を実現しよう、等の目標達成に僅かながらでも貢献できるかと思います。
やや話が大きくなりましたが、社会のどんな規模の企業(医院)においてでも、こういった理念を考え続けることが非常に大切だと思います。
『自分たちの行なっている活動(歯科診療)がなんらかの形でSDGsの達成に貢献出来るよう、小さな一歩から始める』
『今後の医院の活動方針、行動指針を決定する際に、常にSDGsを念頭に置き事業計画を策定していく』
上記二つを目標とすることを誓い、4周年のご挨拶に替えたいと思います。


(補足)
⚫︎当院におけるIT化、デジタルトランスフォーメーションに関して(❾産業と技術革新の基盤を作ろう、に該当)
写真は、当院の技工物を担当していただいている、
神戸市兵庫区の『入れ歯やさん』http://irebayasan.co.jp/
内における、デジタル技工に関する研修会(8月26日実施)の様子です。
当院においてオーラルスキャナーにより取得された患者様の口腔内データは、インターネットを介して即時に技工所へ送信されます。口腔内のデータは技工士とクラウドシステム(Medit link)を介して共有され、各種の補綴物(詰め物、被せ物)の設計に反映されていきます。
今歯科医療のみならず、あらゆる業態において、デジタルトランスフォーメーション、IT化が進んでいます。
当院においては本年6月より口腔内スキャナーを導入しました。(今後も3Dプリンタなどを導入していく予定です)
歯科医療のdigital transformationにより、より早く、正確で品質の高いものをご提供出来るよう努力して参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
