当院では一般治療の他に、小児期からの矯正治療も行なっております。
特に小学校低学年から中学年にかけ、ちょっとした歯列不正であっても、早期の歯列矯正(咬合の誘導)を行い、良い噛み合わせへ導くことが大切と考えます。
(高校生くらいになって歯列不正の治療に取り組もうという考えもありますが、顎の骨が柔らかく、顎関節部による成長が期待できる小学校低学年の時期に矯正を行うことはメリットが多いと考えます。)
具体的には
①前歯の反対咬合(下顎が出ている状態)
②臼歯部の異所萌出(歯が出てこない)
③下顎の後退症(相対的な上顎の前突)
④重度の叢生(歯並びがガタガタな状態)
などに関しては、矯正治療を強く推奨します。
(ご自身が気づいておられない時でも、こちらからご提案させて頂くことがあります。)
実際の症例をご紹介したいと思います。
下記の患者様は小学校低学年の児童で、右上の奥歯が本来の位置まで生えてきていない状態でした。
右上の第一大臼歯が斜めに生えているために手前の乳歯に当たり、本来の高さまで生えて来れない状態です。
将来的に,右側のみならず全体的に正しくない噛み合わせになり、顎の成長をも歪めてしまう可能性が大きいと考えられます。
矯正治療を進めるべく、上の顎の歯型をとり装置を作ることとしました。
通常であれば、ゴムのような材料を用いて歯型を取るのですが、
嘔吐反射が強いため、通常の型取りがどうしてもできない方でした。
そこで、オーラルスキャナーを用いて歯並びをスキャンすることにしました。
以下は,矯正用のバンドを第一大臼歯に装着した状態でスキャンした画像です。
上記のデータを3Dプリンターへ送信し、レジン製の模型を作製します。
そのレジン製模型を、通常通り型取りを行い、石膏で模型を作製したのち、矯正用のバンドを石膏模型に戻します。
矯正専門の技工所
オーソデント https://www.orthodent.co.jp/
に送り,リンガルアーチ(延長型舌側弧線装置)を作製してもらいます。
リンガルアーチを上の歯にセットした状態です。
上記のように、オーラルスキャナーを用いることで、嘔吐反射の強い方に対しても、スムーズに装置を作製することができました。
さらに4ヶ月程度経過し、右上の第一大臼歯の傾斜が改善されました。
正しい方向に萌出していることが確認できましたので装置を撤去しました。(今後は別の装置を用いて前歯の歯並びを良い方向へ誘導していく予定です)
当院では、開業以来、小児期からの早期の咬合誘導、成人矯正に関して矯正専門医と協力して診療をおこなっております。
【矯正専門医】
広島大学名誉教授・客員教授 丹根一夫先生
初診時から丹根先生と相談させて頂き、診査、診断の後、治療方針を決定します。矯正治療が開始されたあとも連携をとりながら治療を行なっております。
(実際の治療は主に私篠原が行いますが、必要に応じて丹根先生に直接治療して頂くこと可能です)
お子様の歯並びでお悩みの事ございましたら、お気軽に当院にお問い合わせ下さい。