当院での治療例の紹介 ❶前歯の治療

2021年4月25日 日曜日

当院は2017年8月に開業以来、3年半が経ち、今までに数多くの患者様にお越し頂きました。

そして当院の治療方針に同意して頂き、忍耐強く治療を受けて頂きましたことに、この場を借りて改めて御礼申し上げたいと存じます。

当院では一般歯科治療に加えて再生療法、インプラント治療、矯正治療などを用いた一口腔単位の包括的な治療を行なっておりますが、以下の方針で進めています。。

Esthetics:審美・・・歯の色と形がその人本来のものにあっていること

Function:機能・・・歯並びが整っており、奥歯でしっかり噛めること(咬合の安定)

Structure:構造 ・・・被せ物と土台がしっかりとし、割れない、外れないこと

Biology:生物学(生体)・・治療後も、歯や歯ぐきに炎症がない、顎関節に症状がないこと

上記にプラスして、

『(教科書的には)抜歯適応の状態であっても患者様が希望すれば抜歯は避け、極力歯を残す

何よりも患者様の希望に沿う(インフォームド=チョイス)

ことを第一に治療にあたっております。

従って従来の治療よりも長く、複雑な過程が必要となる場合が多くなっています。

 

そこで、本年より、患者様の同意を得て、具体的な症例の提示:ケースレポートを行なっていくこととしました。

これは実際の治療例を公開することにより、地域の皆様のお口や歯の悩みを解決する一助となれば、と考えたためです。

以下に具体的な治療例を提示していきたいと思います。

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治療例❶ ♯部分的矯正    ♯歯周外科(根尖側移動術)     ♯補綴修復

矯正的挺出(エクストルージョン)と歯周外科処置を用いて歯の保存に努め、ジルコニアセラミックスにより修復を行った一例

  • 50代男性
  • 主訴;前歯が取れた(数年前に他院にて治療行なった)
  • 全身疾患(ー)、喫煙(ー)
  • 初診時の歯の状態;差し歯が土台ごと取れて歯が割れ、歯根は歯茎よりも下に埋まった状態。かつ、歯根に破折(マイクロクラック)が存在していた
  • 治療方針;機能及び審美性を回復し、治療後の永続性を目標に歯冠修復を行った。

 

初診時の状態は以下の写真のようでした。

左の前歯が土台ごと外れ、根の一部も欠けています。上顎の前歯部は人の第一印象を決める大切な要素ですので、早急な対応が求められます。今まで入っていた被せ物は形が左右不揃いで、対称性に欠けます。

また、マイクロスコープで歯根を観察すると、根もとに微細な亀裂(マイクロクラック)が発生していることが判明しました。

CT撮影を行い観察したところ、歯が薄く、表側の歯を支える骨も吸収していることから、この歯は長くもたないことを患者様に説明しました。

患者様は歯の保存を希望された為、今後抜歯となる可能性に関してもご納得していただいた上、治療をスタートしました。

①生物学的幅径(生理的な歯ぐきの状態)の回復のためにまずは矯正的挺出(エクストルージョン)を行いました。

②数ヶ月の牽引を行った後、歯周外科(根尖側移動術)を行い、治癒を待ちました。

③生理的な歯茎の状態になったことを確認し、型を取り、ジルコニアセラミックスを装着しました。(左上の歯が折れることを防止するために、2本のセラミックス連結した)

術後一年経過し、歯と歯の間の隙間(ブラックトライアングル)が歯茎の自然な成長により、閉鎖されました。

 

上記のように、当院では、ただ単に被せるだけではなく、生物学的な安定を目標として、さまざまな治療法をご提案しております。

少し時間はかかりますが、なによりも治療後の安定性を第一と考えておりますので、何卒ご理解ください。