当院におけるイントラオーラルスキャナー(IOS)の活用事例

2021年9月13日 月曜日

当院では6月より、歯科医療のデジタルトランスフォーメーション、非接触(感染リスクの低減)の観点より、韓国MEDIT 社(https://www.medit.com/?lang=ja)のイントラオーラルスキャナー;IOSを導入しました。

 

 

イントラオーラルスキャナーは、光線を利用してあたかもコピー機のように歯形を取る医療機器で、従来のゴムのような材料が不要で早く、快適な診療ができるメリットがあります。

 

今通院しておられる患者様に、実際に使用し始めておりますが、コンパクトでかつ操作性が良いため、

患者の皆様からは一様に、

型取りの気持ち悪さが無く快適だ。

型をとっている気がしない。何をしているかわからないくらいです。

というお声を頂いております。

 

 

現在のところ、当院では下記のようなケースに応用しております。

❶長期間使用する、硬質の仮歯(プロビジョナルレストレーション)

技工所にてCADCAMソフト上でデータを開き、設計する。

仮歯(provisional restration)をセットした。

 

 

 

②ジルコニアセラミックスの設計への応用

下記は、前歯のセラミックスを一度装着した方ですが、「少し長い気がする」とのことでやりかえを希望されました。

今装着しているセラミックスと口唇、鼻との位置関係をスキャナーで取り込みます。このデータ;立体像は、技工士さん側もアプリ上で見ることができます。

歯と軟組織の関係性を参考に、修正したのが下記のセラミックスです。

実際に患者様のお口に装着した時の様子です。自然な仕上がりに患者様も満足されています。

従来の二次元の写真と、口頭で技工士さんに伝えるだけはなく、同じ画面(アプリ)で立体像を見ながら、リモートで技工士さんと議論し、細かなディティールを修正することが可能になりました。

 

 

③インプラントの上部構造(セラミックス)

インプラントの上部構造制作のためには従来はシリコン製の材料を用い、お口の中で5分程度硬化するのを待たねばなりませんでしたが、その必要はなくなりました。

スキャンボディを装着してそれをスキャンすると、インプラントの位置関係がPC上に現れます。

デジタル情報のみでは、ブリッジなどの長い構造のものでは並行性に誤差が生じる為、ベリフィケーションジグ(並行性の検証用のジグ)を、お口の中で固定します。

 

最終的にセラミックスが装着された状態です。自然な仕上がりです。

 

 

 

④矯正装置の作製

下記は、歯形を取らずにスキャンのみ行い、3Dプリンターで作成したレジン樹脂の模型上で仕上げた矯正装置;緩徐拡大装置です。適合性に問題はありません。

 

 

⑤オルソシュミレーション(Ortho-simulation)というアプリケーションを用いての矯正治療のシュミレーション

下記は、抜歯したスペースにインプラントを入れた後に矯正した場合に、上下の歯がちゃんと並ぶか、噛み合うのかをおおまかにシュミレーションしたものです

大まかではありますが治療の成功の可否が分かり、患者様にも治療のゴールを提示できます。

 

 

上記のようなケースに応用しております。

 

 

 

従来の型取りがないために快適性が向上し、治療時間が短くなるというメリットがあるのはもちろんですが、

デジタル技術によるシュミレーションは、矯正治療後のゴールを患者様と共有することが出来ます。

また、お口の虫歯を立体像で患者様に提示(informed)することで、より実感を伴った病態の把握(concent)が可能になろうかと考えられます。

かつ、非接触であることから、感染リスクが低減されると考えられます。

他にも様々な機能があり、スキャンするだけに留まらない、様々な可能性を、このオーラルスキャナーは広げてくれそうです。

 

今後も、デジタル機器および各種アプリケーションにさらに習熟し、皆様のお口の健康、利益につながるよう努力して参ります。