新年明けましておめでとうございます。
旧年中は、患者の皆様にはコロナ禍でご不安を感じられる環境であるにも関わらず、当院にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
また、行動が制限される中、歯科関連の業者様をはじめ、各業種の皆様にご尽力して頂きました事、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
2020年は新型コロナ感染症の影響により、世の中の構造が一変し、医療界のみならずあらゆる業種で行動の制限される、なんとも窮屈な社会となってしまいました。
私自身も2020年の初めは東京への研修(インプラント外科の研修)に行っていましたが、3月からは行動を自粛し、静岡県で行われる予定であった見学、研修は中止せざるを得ませんでした。
しかしその中でも歯科治療への情熱、学び(研究、研修)は止めてはいけないと思い、インターネットなどを利用したリモートでの学会への参加により最新の知見を得るよう努めてまいりました。
行動が制限される生活様式となりましたが、その一方で、学術に関する情報などは、リモートシステムにより、むしろ簡便に視聴できるようになったのではないかと思います。
今後も患者様の利益につながる学術に関する情報、知見は随時取り入れて、自身の治療をアップデートし、患者の皆様に還元していきたいと思います。
さて、年が明けまして2021年になりました。
当院は2017年8月に開業し、3年数ヶ月が経過しております。
開業時に立てた目標である、
『歯科治療を通じて地域社会に貢献』という理念を継続、実践していくことはもちろんのですが、
『患者様の権利』、『患者様の義務』
についても改めて、定義したいと思います。
患者様の権利
①どのようなお口の状態でも、良質な歯科治療を公平に受けることができます。(他院にて治療途中のまま放置してしまった、または転院したいという方もお気軽にご相談下さい)
②病気のこと、治療や検査などについて、十分説明を受けた上で自分の意思で選択し決定できます。
(インフォームド・チョイスの実践=説明を受けた上で治療方法を選択できる、拒否もできる)
③治療や検査、費用などについて、他の医療機関の歯科医師の意見を求めることができます。(セカンドオピニオンの実践)
④当院で撮影、記録したお口のレントゲン、写真や、病気など個人情報は守られます。(依頼があれば削除も可能)
患者様の義務=守って頂きたいこと
①病状に関する情報を歯科医師等に詳しく知らせて下さい。また、ご自身のお口の状態に関してご自身で興味を持ち、十分理解できるまで質問してください。
②治療方法、費用、期間に関して、納得して合意のうえ、必要な治療や検査等に意欲をもって取り組んでください。(「どうせ悪くなるから放置しておいて下さい」「難しい話は結構です」という方がおられますが、ご自身の大切な体のことです。治療方法、費用等に関して理解するよう努めて下さい)
上記二項目に関しては、治療を円滑に進めていく上で非常に大切なことです。
ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
また、今年の目標としては
❶更なる院内の清潔化、感染防止策の徹底
❷非接触の観点から、デジタルデンティストリーの推進
❸自身の症例の整理、ホームページ上での具体的事例の提示
❹訪問診療の拡充
❺スタッフ教育の更なる充実
上記5項目を主に進めていきたいと考えます。
特に❷に関して、
現代の歯科医療においてのイノベーションと言える、オーラルスキャナー、3Dプリンターのことです。
従来はゴムのような材料(アルジネート印象材)を用いて患者様のお口で直接型取りしていましたが、それを口腔内カメラを用いて簡便に行うことが出来、感染防止、非接触の観点からも非常に有益なデバイスと考えられます。
保険収載の話も数年前から上がっており、現在の歯科治療を行う上では必須のデバイス機器と言えますので、当院としても本年中の導入を予定しております。
感染リスクの少ない、患者様にとって負担の少ない、speedyな治療をご提供できれば、と考えております。
最後に、現在もコロナ禍は続いておりますが
一度立ち止まり、考えたことがあります。
『歯科医療は人に何を与えてあげることができるのか?』
ということです。
それはお口の健康を通じて全身の健康に寄与できる、ということだと思います。
歯科治療に「不急」はあっても「不要」はないと思います。
『禍福は糾える縄の如し』という諺があります。
『禍』の後にはまた新しい『福』が来ることを祈願し、新年のご挨拶としたいと思います。
本年もまた『一所懸命』に地域医療に打ち込んでいきますので、どうぞよろしくお願い致します。