2020年、新年明けましておめでとうございます。

2020年1月15日 水曜日

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は、患者の皆さまをはじめ、先生方、各方面の企業様、業者様に多大なるご支援、御協力を頂きましたこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

年が明けて令和二年を迎え、当院は開業して三年目の年になります。まだまだ若い医院、組織ではありますが、「一所懸命」の精神で今年も頑張っていきたいと思います。

 

さて、新年を迎え、今年の当院の目標(行動指針)ですが、

歯科治療を通じ地域の皆様に貢献することはもちろんですが、

特に以下の三点に重点をおき、努力していく所存です。

 

ミニマルインターベーション(MI)の実践

これは、2002年の国際歯科連盟の

Minimal Intervention in the Management of Dental Caries

で提唱された治療方針Policy、であり、虫歯の治療、予防管理における考え方です。

簡単に言うと、

過剰な治療(over treatment)をせず最小限の介入で最大限の効果を上げ、患者の皆様の生活の質;QOL(Quality of Life) を向上すること

これは、当院の診療の基本的なコンセプトです。

これは虫歯治療に限ったことではなく、歯科治療のあらゆる分野で応用できる考え方と私は考えます。

 

①虫歯治療において

●直接歯髄覆罩処置;direct pulp capping

無理に削って神経を取るのではなく、齲蝕の進行を抑える薬を塗ってセメントで蓋をし、一定期間経ってから再度充填処置を行う

●ダイレクトボンディング;

小さな虫歯であれば、いわゆる銀歯や被せ物をするのではなく、コンポジットレジンという材料を用いて歯を極力削らずに治すことができる

 

②歯周病治療において

歯石を取るなどの基本的な歯周初期治療を行い、自身の持つ自然治癒力を引き出す。むやみに抜かず、歯周外科処置、歯根端切除術、意図的再植などの方法で保存を試みる。

抜歯適用と考えられるような歯でも、再生治療剤(リグロス®︎)、骨補填剤などを用いて極力保存に努める。

 

③義歯、ブリッジなどの補綴治療において

従来の歯の周りを全て削るタイプのブリッジではなく、極力削らない、接着ブリッジを応用する

金属床、ノンクラスプデンチャー(金属を用いない審美的な入れ歯)が壊れてしまった、又は歯が抜けて不安定になった場合、一から作り直すのではなく、現在お使いの義歯を修理(金属をレーザーにて切断、溶接できる設備、技術のある技工所と提携)してそのまま使用できるよう調整する

 

④インプラント治療において

インプラントは必ずしも第一選択ではない場合もある。極力自身の歯を残すこと、欠損の拡大を食い止めることが目標であり、咀嚼機能の回復を第一に考え、歯牙移植ができる場合は移植と併用した治療プランを検討する。

上顎骨の幅が薄い場合にソケットリフト、サイナスリフトを行うのではなく可能であればショートインプラントなどを選択し、侵襲の少ない治療法、治療コストのかからない方法を検討する

上記のように、なるべく患者様のお体に負担にならない治療方針、かつ経済的背景をも考慮したプランを考えることが、地域医療において大切と考えております。

 

基本的な歯周初期治療、メンテナンスの確立そして歯周組織再生療法へ

①でも述べましたが、当院では歯周病治療においては保険診療(歯周初期治療)のルールに則り、極力歯を残すように努力しております。

一見、保存の難しい歯であっても、他の歯と被せ物などで連結し、揺れを止め、確り噛めるようにする、『歯周補綴』という考え方のもと治療を行っております。

そして治療が終われば、定期的なメンテナンス(SPT;サポーティブ ペリオドンタル セラピー、クリーニング)に移行し、お口に健康を維持できるようにします。

また、2016年に初めて保険に収載された、「リグロス®️」というお薬ですが、当院ではこのお薬を去年から積極的に治療に応用しております。

赤く腫れ上がり、動いていた歯が、この新薬を使うことで揺れが収まってきた事例もありますし、歯がグラグラで余り噛めない、といった症状をお持ちの方が、『歯が確りして硬いものでも噛めるようになった』とのお声をいただいております。

20年近く歯科医療に携わって参りましたが、まさにこれは医薬品の革新innovationと言えるのではないか?とすら感じております。
最終的な評価は、長期経過を追わねばなりませんが、今後もこの薬剤を積極的に使用し、皆様のお口の健康に繋げていければと考えております。

 

③訪問診療により地域の医療、福祉に貢献する

当院にお越しいただいている患者様の中にも、歩行の困難な方、通院に介助が必要な方がいらっしゃいます。

当院では訪問診療の要請があれば、今後対応できるよう環境整備を進めております。

もし通院困難な方がおられましたら、お気軽にご相談下さい。

 

現在のところ、下記の地区において訪問診療が可能です。

池田町、松原町、西福町、津田町、中殿町、中須佐町、中前田町、森下町、神明町、神祇官町、櫨塚町、津門稲荷町、津門西口町、津門仁辺町、津門大塚町、津門大箇町、染殿町

 

 

以上長文になりましたが、上記の三点を今年の目標に、頑張っていきたいと考えております。

皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。

写真は元旦の広島市内の夜明けの様子

世界遺産 厳島神社