5−DJapan10周年記念大会(世界の潮流と5-D Japan コンセンサス)に参加しました。

2019年3月26日 火曜日

さる3月16日、17日は診療所を二日間、休診とさせて頂き、東京都港区の東京ミッドタウンで行われました学術講演会に参加して参りました。

5-D Japan は日本におけるトップランナーの先生方により10年前に発足したスタディーグループであり、

今回は海外から臨床/研究における第一人者の先生方をお招きし、講演およびdiscussionを行うという内容で、まさしく歯科医学の最新の知見を知ることのできる講演でした。

 

講演の内容は以下の5つのセッションで構成され、日本人の講師の先生、海外からの講師の先生の順に講演を行い最後に症例に関して検討する、という内容でした。

●3月16日土曜日

①Partial extraction therapy and Horizontal GBR for Immediate Implant placement into Extraction socket(船登彰芳先生)

単独歯インプラント治療:前歯領域での長期審美的結果を獲得するための、非侵襲的アプローチ(Dr.Francesco Amato)

②Vital Pulp therapy の意義と重要性 /  Importance of pulpal diagnosis for treating endo-perio lesions(福西一浩先生)

病理組織に学ぶ歯髄と根尖周囲組織の治癒(Dr.Domenico Riccuci)

③骨縁上欠損改善の臨床的アプローチ/Clinical approaches for suprabony defects(北島 一先生)

骨縁下欠損および根分岐部病変に対する歯周組織再生療法:歯周病罹患歯の予後を変えるための方策(Dr.Pierpaolo Cortellini)

 

●3月17日日曜日

④審美エリアにおける三次元的な硬軟組織マネージメント(石川知弘先生)

増大つまり審美ゾーンの組織欠損を伴う抜歯部位において、軟組織、硬組織を長期にわたり維持するための解決策(Dr.Ueli Grunder)

⑤補綴治療計画のキーポイント(南昌宏先生)

THE THIRD CHOICE in case of tooth wear(Dr.Francesca Vailati)

 

世界最先端の臨床の知見、技術が目白押しで非常に興味深く、高いレベルの内容でしたが、その中でも自身の臨床に応用できる内容もありました。

抜歯した歯牙の破片(歯根膜)を利用して歯槽骨の保存、再生(骨造成)を行う

MTAセメント、水酸化カルシウム製剤を用いての歯髄の保存(歯髄覆とう処置)を行う

生理活性物質であるエムドゲインにより歯周組織を再生する(エナメルマトリックスデリバティブ)

インプラントを固定源としての部分矯正(圧下)を行い、歯周病(歯周ポケット)を改善する

などです。

最新の技術/知識は、高度であるためトレーニングが必要ですし、その応用には慎重な考えを持って臨む姿勢が求められ、かつ確かな技術も必要です。

ただ、そういった最新の考え方に対し常にアンテナを張ることは非常に重要なことと私は考えます。

数年前であれば日常の臨床に応用できなかったことでも、日々、研鑽努力することにより徐々に実施することができる。そしてそれを患者の皆様のお口の健康につなげる、全身の健康に寄与する。

このことは歯科医療に携わる者の責務だと考えます。

「今後とも努力、研鑽しなければならない」と決意を新たにした、有意義な二日間でした。